リハビリテーション室の紹介

 当院は急性期・回復期の各病棟があり、急性期では発症後や手術後早期からリハビリテーションを始めています。また病状の安定と共に積極的なリハビリテーションを続けた方が良い方は回復期病棟へ移り、365日体制で集中的なリハビリを提供しています。

 それぞれのステージにおいて各部門が連携し適切な機能訓練や退院後の生活環境も含めた日常生活動作の指導を行ない、「生活の質の向上」を目指したアプローチを行っています。

リハビリテーション室の概要 

◎施設基準

脳血管リハビリテーション料(Ⅰ)     
運動器リハビリテーション料(Ⅰ)
呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)

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            (リハビリテーション棟 受付)             

◎スタッフ数

総数37名(PT:19名、OT:14名、ST:3名、リハビリ助手:1名)
内、回復期リハビリテーション病棟配置13名(PT:7名、OT:5名、ST:1名)

◎対象となる疾患

脳血管疾患
整形外科疾患
廃用性症候群(内科的疾患、心筋梗塞などの心疾患、外科術前術後)
乳腺外科のリンパ浮腫  など

理学療法部門(PT:Physical Therapy)

 病気やけがなどにより身体が不自由になられた方々に対し、生活に欠かせない「起きる」「座る」「立つ」「歩く」などの日常生活に必要な基本動作の獲得を目指します。

 姿勢や動作を専門的に評価し、運動療法や物理療法を主体とし、一人一人に合ったプログラムを提供します。痛みについても専門的な評価の上、痛みの緩和や再発の予防のためのセルフエクササイズの指導も行います。

 理学療法室 PT 訓練 1 
      (理学療法室)  

                Pt 訓練 2   
      

◎水治療法

 浮力や圧力、抵抗といった水の特性と、温泉を利用した温熱の効果を利用して運動機能の向上を図ります。

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         (プール訓練室)

水の特性とは・・・

 浮力・・・浮く力で関節に負担になる重さをを軽減し、痛みを緩和することができ、運動や歩行能力の向上を図ります。
 抵抗・・・運動スピードの変化で負荷が変わり、全身的な身体能力(筋力やバランスなど)の向上が図れます。
 水圧・・・水の圧力により、血行促進や心肺機能の向上を図ります。
 水温・・・代謝促進やリラックス効果が図れます。 

作業療法部門 ( OT : Occupational  Therapy )

 作業療法では、病気やケガで日常生活が出来なくなったことが再び行え、住み慣れた家や地域などの生活の場に戻り、安心して過ごせるように、身体・活動・環境を評価します。
 作業療法の「作業」とは日常生活の諸活動(食事や更衣など)、仕事や趣味活動など人が生きていくために必要な生活にかかわるすべての諸動作を「作業活動」と呼んでいます。

 作業療法士は、その作業活動を通じ、様々な疾患・障害のある方へ身体機能の回復の他に、記憶や物事の認識、考える力などの認知機能・高次脳機能の回復、落ち込んだ気持ちや今後の生活の不安を解消しながら、その人らしく安全でより良い生活が送れるように支援を行っていきます。

作業療法室                 (作業療法室)

◎機能回復の支援

 麻痺や筋力低下などの機能障害に対して利き手交換、上肢(腕)の運動や指先の細かな運動(巧緻動作)の訓練を行い、機能の回復を支援します。

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◎日常生活活動の支援

 食事、トイレ、入浴、整容など日常生活に必要な動作を実際の場面で訓練を行います。
 また動作を補うための自助具(障害に応じて工夫された道具)を提供し、より良い生活を支援します。


 家庭用入浴訓練室では、シャワーや浴槽の位置も変えられ、自宅の浴槽や身体の状態に合わせ練習する事が出来ます。自宅退院に向け、手すりの設置や移乗台などの検討も行えます。

 家庭用入浴訓練室 福祉機器 2 福祉機器 1
    (家庭用入浴訓練室)     (浴槽用手すり) (移乗台)

◎家事動作、職業復帰の支援

 自宅生活を想定した調理動作や掃除などの家事動作や和室での動作練習も行います。また職業に応じて必要な能力の獲得を支援します。

   OT訓練 2 ADL 
                (高さの変わる調理台)

 自宅退院後、和室で生活する方もいらっしゃいます。その為に必要に応じて「畳から立つ・座る」「布団を敷く・たたむ」「掃除をする・ほうきで掃く」などの動作・活動の練習を行います。病気やケガをした後などもなじみのある空間で生活できるように援助していきます。

                     作業療法室 和室 
                          (和室)

  ◎余暇活動、家の中での役割の獲得

 入院生活の質の向上のために作業活動による趣味・余暇活動を取り入れます。また退院後も家の中での仕事ができ、充実したその方らしい生活が送れるよう支援します。   
                      趣味 余暇活動1 

言語聴覚療法(ST:Speech&Language&Hearing Therapy)

 病気などにより困難になった「聞く」「話す」「読む」「書く」などの言語に関わる機能や、食べ物が「飲み込みにくい」「むせやすい」などの摂食嚥下機能に対して、発症早期より検査・評価と、個々の障害に応じた治療や指導を行っています。

 コミュニケーションや食べるという行為は生活上、重要なことであり、患者様自身と関わるご家族のQOL(生活の質)の向上のため、一人一人に適したリハビリテーション・援助を提供することを目指しています。

   言語聴覚療法室 (言語聴覚療法室)

    ST訓練 2  ST訓練 2
     (嚥下・口腔機能へのアプローチ) 

   リハビリテーション室  イラスト 言語1 
      (言語機能へのアプローチ)   

 

リハビリテーション棟内、施設紹介

個室訓練室
 病気やケガなどによっては、患者さんの症状把握や治療について個別的な対応が必要な場合もあります。プライベートを配慮し、個室訓練室二つと高次脳機能検査室を設置しています。

  個別訓練室    高次脳機能検査室
     (個室訓練室)         (高次脳機能検査室)

光庭
 リハビリテーション棟の施設中央に位置し、人工芝を敷き詰め、憩いの場としてベンチも設置しています。
 気軽に車椅子でも外に出る事が出来ます。 

 光庭
(光庭)

当院リハビリテーション室における臨床研究に関するオプトアウトのお知らせ

 通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施します。臨床研究のうち、患者様への侵襲や介入も無く診療情報等の情報のみを用いる研究などについては、国が定めた指針に基づき「対象となる患者様のお一人ずつから直接同意を得る必要はありません」が、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開し、さらに拒否の機会を保障することが必要とされております。

 このような手法を「オプトアウト」と言います。オプトアウトを用いた臨床研究は下記の通りです。なお、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている問い合わせ先にお問い合わせください。

 

pdfファイルオプトアウト「回復期リハビリテーション病棟における全国と当院の比較」(PDF:125kB)

pdfファイルオプトアウト「脳梗塞発症直後の高齢者に対する早期離床の循環動態への影響」(PDF:146kB)